第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年6月 無線工学(B)問23

2024-07-28

問題

次の記述は、図に示すスーパヘテロダイン方式スペクトルアナライザの原理的な構成例について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):ディスプレイの垂直軸に入力信号の振幅を、水平軸に( A )を表示することにより、入力信号のスペクトル分布が直視できる。
  • (2):掃引信号発生器で発生する「のこぎり波信号」によって周波数変調した電圧同調形局部発振器の出力と入力信号とを周波数混合器で混合する。その出力は、中間周波フィルタ、中間周波増幅器を通った後、検波器を通してビデオ信号となる。ビデオ信号は、ビデオフィルタで帯域制限された後、ディスプレイの垂直軸に加えるとともに、のこぎり波信号を水平軸に加える。測定可能な周波数の範囲は、中間周波フィルタの中心周波数及び( B )の周波数範囲によってほぼ決まる。
  • (3):周波数の分解能は、( C )の帯域幅によってほぼ決まる。
ABC
1位相電圧同調形局部発振器ビデオフィルタ
2位相掃引信号発生器中間周波フィルタ
3周波数電圧同調形局部発振器中間周波フィルタ
4周波数掃引信号発生器中間周波フィルタ
5周波数掃引信号発生器ビデオフィルタ

解答

3

解説

スペクトルアナライザ(Spectrum Analyzer)

スペクトルアナライザ(またはスペクトラムアナライザ)は、信号を周波数軸でグラフを表示する測定器です。

出典:アンリツ

信号計測のイメージを下記に示します。

1つの信号に対して、時間軸という観点で計測するにはオシロスコープを使い、周波数軸という観点で計測するにはスペクトルアナライザを使います。

横軸縦軸
スペクトルアナライザ周波数電圧、電力、電流
オシロスコープ時間電圧、電力、電流

スペクトルアナライザの構成図

下記はスペクトルアナライザのブロック図を表しています。

スペクトルアナライザは、入力信号を別の周波数へ変換するというスーパーヘテロダイン方式を用いています。

ダイナミックレンジと分解能

ダイナミックレンジとは、音響や映像、画像などにおける信号の大きさの範囲を表す指標で、最大値と最小値の比率のことをいいます。スペクトルアナライザの場合は複数の同時に入力した信号のレベル差をいい、ダイナミックレンジが広いほど、複数の信号を測定できるようになります。

分解能とは、信号を測定したときに、どこまで細かく観測・描写できるかの能力のことをいいます。スペクトルアナライザの場合は周波数分解能ともいい、入力した信号をどの周波数の範囲まで観測できるか、また複数の信号を区別して表示できるか、を示す能力を指します。

周波数分解能を上げるには、中間周波フィルタの周波数帯域幅を狭くする(=どのくらい細かく見るか)必要があります。

参考文献

スペクトラム解析の基礎 - Keysight
ダイナミックレンジとは - IT用語辞典 e-Words

-第一級陸上特殊無線技士
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