第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年6月 無線工学(B)問19

2024-07-24

問題

次の記述は、整合について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):給電線の特性インピーダンスとアンテナの給電点インピーダンスが( A )と、給電点とアンテナの接続点から反射波が生じ、伝送効率が低下する。これを防ぐため、接続点にインピーダンス整合回路を挿入して、整合をとる。
  • (2):同軸給電線のような( B )とダイポールアンテナのような平衡回路を直接接続すると、平衡回路に不平衡電流が流れ、送信や受信に悪影響を生ずる。これを防ぐため、二つの回路の間に( C )を挿入して、整合をとる。
ABC
1等しい平衡回路バラン
2等しい不平衡回路スタブ
3異なる平衡回路スタブ
4異なる平衡回路バラン
5異なる不平衡回路バラン

解答

5

解説

整合

異なる特性インピーダンスの伝送路同士を接続すると、反射波といって、信号の一部が戻ってきてしまい、電力損失が発生します。

入射波と反射波の電圧の割合を反射係数といい、下記式で表されます。

$$\begin{eqnarray} \Gamma=\frac{V_r}{V_i}=\frac{Z_L-Z_0}{Z_L+Z_0} \end{eqnarray}$$

Viは入射波の電圧、Vrは反射波の電圧を表します。

ZL=Z0となっている状態を整合といい、整合している時に反射波が0となり、反射係数も0となります。

つまり、損失がなく、最も効率よく電波を送信できるのです。

整合させるためには、整合回路と呼ばれる回路を挿入して、インピーダンスを調整します。

平衡と不平衡

2本の信号線について、1本目の信号に対して、もう1本の信号が、互いに逆相となっている信号を平衡といい、そうでない関係のものを不平衡といいます。

例えば、フィーダー線などは2本の線に対して信号がそれぞれ逆相となり対称の関係にあるのに対して、同軸ケーブルは内部導体と外部導体で信号が対称となりません。

そのため、平衡と不平衡の関係のものを接続するために、バランと呼ばれる変換器を接続します。

-第一級陸上特殊無線技士
-,

© 2024 はちさんの通信系資格ブログ