第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年6月 無線工学(A)問23

2024-07-04

問題

次の記述は、図に示すスーパヘテロダイン方式スペクトルアナライザの原理的な構成例について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. ディスプレイの垂直軸に入力信号の振幅を、また、水平軸に周波数を表示する。
  2. 電圧同調形局部発振器の出力の周波数は、掃引信号発生器が出力する信号の電圧に応じて変化する。
  3. 周波数分解能を上げるには、中間周波フィルタの周波数帯域幅を広くする。
  4. 掃引信号発生器が出力する信号は、のこぎり波信号である。
  5. 周期的な信号のほか、連続的な雑音のスペクトル分布も観測できる。

解答

3

解説

スペクトルアナライザ(Spectrum Analyzer)

スペクトルアナライザ(またはスペクトラムアナライザ)は、信号を周波数軸でグラフを表示する測定器です。

出典:アンリツ

信号計測のイメージを下記に示します。

1つの信号に対して、時間軸という観点で計測するにはオシロスコープを使い、周波数軸という観点で計測するにはスペクトルアナライザを使います。

横軸縦軸
スペクトルアナライザ周波数電圧、電力、電流
オシロスコープ時間電圧、電力、電流

スペクトルアナライザの構成図

下記はスペクトルアナライザのブロック図を表しています。

スペクトルアナライザは、入力信号を別の周波数へ変換するというスーパーヘテロダイン方式を用いています。

ダイナミックレンジと分解能

ダイナミックレンジとは、音響や映像、画像などにおける信号の大きさの範囲を表す指標で、最大値と最小値の比率のことをいいます。スペクトルアナライザの場合は複数の同時に入力した信号のレベル差をいい、ダイナミックレンジが広いほど、複数の信号を測定できるようになります。

分解能とは、信号を測定したときに、どこまで細かく観測・描写できるかの能力のことをいいます。スペクトルアナライザの場合は周波数分解能ともいい、入力した信号をどの周波数の範囲まで観測できるか、また複数の信号を区別して表示できるか、を示す能力を指します。

周波数分解能を上げるには、中間周波フィルタの周波数帯域幅を狭くする(=どのくらい細かく見るか)必要があります。

参考文献

スペクトラム解析の基礎 - Keysight
ダイナミックレンジとは - IT用語辞典 e-Words

-第一級陸上特殊無線技士
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