問題
図に示す構成のスーパヘテロダイン受信機において、受信電波の周波数が146.9[MHz]のとき、影像周波数の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、中間周波数は10.7[MHz]とし、局部発振器の発振周波数は受信周波数より低いものとする。
- 125.5 [MHz]
- 128.2 [MHz]
- 136.2 [MHz]
- 157.6 [MHz]
- 168.3 [MHz]
解答
1
解説
この図に沿って、青(希望信号)と赤(干渉信号)を順番に見ていきます。
希望信号の周波数をfD、中間周波数をfIFとすると、局部発信器の周波数fLOは下記2つが考えられます。
$$\begin{eqnarray} f_{IF}&=&|f_D+f_{LO}| \\ 10.7&=&|146.9+f_{LO}| \\ f_{LO}&=&-136.2[\rm MHz], -157.6[\rm MHz] \end{eqnarray}$$ $$\begin{eqnarray} f_{IF}&=&|f_D-f_{LO}| \\ 10.7&=&|146.9-f_{LO}| \\ f_{LO}&=&136.2[\rm MHz], 157.6[\rm MHz] \end{eqnarray}$$ここで、マイナスの周波数は現実には存在しないことと、局部発振器の周波数fLOは受信周波数fDより小さいという条件から、局部発信器の周波数fLOは136.2[MHz]となります。
続いて、同様に干渉信号について見ていきます。
$$\begin{eqnarray} f_{IF}&=&|f_{IM}+f_{LO}| \\ 10.7&=&|f_{IM}+136.2| \\ f_{IM}&=&-125.5[\rm MHz],-146.9[\rm MHz] \end{eqnarray}$$ $$\begin{eqnarray} f_{IF}&=&|f_{IM}-f_{LO}| \\ 10.7&=&|f_{IM}-136.2| \\ f_{IM}&=&125.5[\rm MHz],146.9[\rm MHz] \end{eqnarray}$$146.9[MHz]は希望信号の周波数と同じなので、もう一つの影像周波数が125.5[MHz]と求めることができます。
イメージ妨害(影像妨害)
スーパーヘテロダイン方式で、イメージ妨害(影像妨害や影像周波数ともいう)です。
イメージ妨害は中間周波数に変換する際に、希望信号成分のみならず、干渉信号成分も中間周波数と同じ周波数に変換されてしまうために発生する現象です。
なぜそのような現象が起こるのでしょうか?
下記の構成図を例に見てみます。
混合器では、局部発信器と受信信号の差の周波数を出力します。
そして、中間周波数増幅器にて、1つの成分をフィルタ・増幅して、出力します。
干渉信号に対しても同様の動きをするのですが、問題になるのが、干渉信号成分の変換後の周波数が希望信号成分と同じになってしまうことです。
これが影像妨害の原理です。