第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和5年2月 無線工学(B)問20

2023-03-25

問題

次の記述は、図に示すマイクロ波通信の送受信点間の見通し線上にナイフエッジがある場合、受信地点において、受信点の高さを変化したときの受信点の電界強度の変化などについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。ただし、大地反射波の影響は無視するものとする。

  1. 見通し線より下方の領域へは、ナイフエッジによる回折波が到達する。
  2. 見通し線より上方の領域では、受信点を高くするにつれて受信点の電界強度は、自由空間の伝搬による電界強度より強くなったり、弱くなったり、強弱を繰り返して自由空間の伝搬による電界強度に近づく。
  3. 見通し線より下方の領域では、受信点を低くするにつれて受信点の電界強度は低下する。
  4. 受信点の電界強度は、見通し線上では、自由空間の電界強度のほぼ1/√2となる。

解答

4

見通し点では電界強度が半分(1/2)になります。

解説

ナイフエッジ

電波が建物に遮蔽されると、建物の端で電波の回折が生じます。

その結果、本来は遮へいされているはずの電波が、建物を超え、届くことがあります。

特に、遮へい物の角が鋭い場合は、下図のようにモデル化されており、ナイフエッジと呼ばれています。

ナイフエッジでの電界強度や損失は、数学的解析されています。

ナイフエッジでの伝搬について、下記のような特徴があることが知られています。

  • 見通し線より上側:回折により、電波が強め合ったり弱めあったりする。
  • 見通し線より下側:見通しがないため、直接波ではなく、回折波が到達する。そのため、受信点を低くするほど、遮へいの影響が大きくなり、電界強度は低下する。
  • 見通し線上:自由空間の電界強度のほぼ半分となる。

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