問題
次の記述は、デジタル無線通信における同期検波について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
- 同期検波は、PSK通信方式で使用できる。
- 同期検波は、低域フィルタ(LPF)を使用する。
- 同期検波は、一般に遅延検波より符号誤り率特性が劣っている。
- 同期検波は、受信した信号から再生した基準搬送波を使用して検波を行う。
解答
3
同期検波は、遅延検波より符号誤り率特性が優れています。
解説
復調(検波)
送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。
特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。
検波には、同期検波と遅延検波の2つの方法があります。
同期検波
検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。
例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。
搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。
ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。
これが同期検波の仕組みです。
遅延検波
ただし、同期検波では搬送波再生回路が必要となるため、より安価・簡単な回路構成で検波を行う方式として、遅延検波方式があります。
遅延検波では、搬送波発生回路の代わりに、1シンボル前の信号を搬送波発生回路の代わりに利用します。
同期検波よりも簡単な分、ビット誤り率は同期検波よりも悪くなることが知られています。