問題
次の記述は、あるダイオードの特徴とその用途について述べたものである。この記述に該当するダイオードの名称として、正しいものを下の番号から選べ。
- ヒ素やインジウムのような不純物の濃度が普通のシリコンダイオードの場合より高く、逆方向電圧を上げていくと、ある電圧で急に大電流が流れるようになって、それ以上、逆方向電圧を上げることができなくなる特性を有しており、電源回路等に広く用いられている。
- トンネルダイオード
- ピンダイオード
- バラクタダイオード
- ガンダイオード
- ツェナーダイオード
解答
5
解説
ツェナーダイオード
ツェナーダイオードは、定電圧ダイオードともよばれ、一定の電圧を取り出すために使われるダイオードです。
通常のダイオードと、ツェナーダイオードの比較を下記に示します。
通常のダイオードでは、電圧を上げていくと、約0.7[V]以上になったときに、ダイオードに電流が導通するようになります。
これを順方向特性といいます。
ツェナーダイオードも同様で、電圧を上げていくと、約0.7[V]以上になったときに、ダイオードに電流が導通するようになります。
一方、ツェナーダイオードには、別の特徴もあります。それが、逆方向特性です。
順方向と同じ考えで、マイナスの電圧をかけていくと、ある一定の電圧以上でダイオードに電流が導通するようになります。
これをツェナー降伏といいます。
逆を言えば、ツェナーダイオードにマイナスの電流が流れると、一定の電圧を得られる、ともいうことができます。
このように、ツェナーダイオードは、ツェナー降伏を利用して、定電圧を得る目的で使われています。