第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(B)問22

2023-01-14

問題

次の記述は、平滑回路について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):平滑回路は、一般に、コンデンサC及びチョークコイルLを用いて構成し、( A )から出力された脈流の交流分(リプル)を取り除き、直流に近い出力電圧を得るための低域フィルタ(LPF)である。
  • (2):図は、( B )入力形平滑回路である。
AB
1電源変圧器チョーク
2整流回路チョーク
3整流回路コンデンサ
4負荷チョーク
5負荷コンデンサ

解答

3

解説

  • 平滑回路は、脈流から直流を得るために用いられる回路です。周波数が低ければ低いほど直流に近づいていくため、平滑回路は低域通過フィルタとして動作していると言えます。
  • 問題の図は、前段にコンデンサがあるので、コンデンサ入力形の平滑回路です。

平滑回路

一般的な家庭のコンセントは、交流100Vで供給されています。

一方で、周りにあるスマートフォン、PCなどは直流で動作するため、通常ACアダプタで電圧を変換しています。

では、ACアダプタでは、どうやって交流から直流を生み出しているのでしょうか?

この図は、ACアダプタの中身を簡単に示したものです。

  • ①変圧器:交流100Vを、機器に合わせて降圧します。
  • ②整流回路:交流波形から脈流を作り出します。
  • ③平滑回路:波形をなだらかに整形して、直流を出力します。

平滑回路は、整流後の波形(脈流)の頂上を繋ぎ合わることで、直流を生み出しています。

そのため、できるだけ波形ががたがたにならず、まっすぐに出力されることが理想的です。

このがたがたした、波形の乱れをリップル(リプル、ripple)と言います。

リップルが低ければ低いいほど、理想的な直流に近づいていきます。

平滑回路の種類

平滑回路には、構成により、下記の2種類があります。

  • ①コンデンサ入力形(コンデンサインプット):コンデンサで平滑する方式。入力に近い電圧を得られるが、電圧変動が大きい。
  • ②チョークコイル入力形(チョークインプット):チョークコイルとコンデンサで平滑する方式。コンデンサ入力形よりも電圧変動が少なく安定するが、コンデンサ入力形より電圧が低い。

※コンデンサ入力かチョーク入力かは、整流回路の直後に接続された回路、つまり平滑回路で最前段の回路で判断される。

問題文の場合はコンデンサが最前段なので、コンデンサ入力形になる。

参考サイト

直流電源の作り方~交流から直流への変換~|直流電源なら松定プレシジョン

vol.12 驚異的な省スペース効果 小型スイッチング電源|テクの図鑑|TDK Techno Magazine

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