第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(B)問19

2023-01-11

問題

次の記述は、衛星通信に用いられる反射鏡アンテナについて述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):回転放物面を反射鏡に用いた円形パラボラアンテナは、一次放射器を( A )に置く。
  • (2):回転放物面を反射鏡に用いた円形パラボラアンテナは、開口面積が( B )ほど前方に尖鋭な指向性が得られる。
  • (3):主反射鏡に回転放物面を、副反射鏡に回転双曲面を用いるものに( C )がある。
ABC
1回転放物面の焦点大きいカセグレンアンテナ
2回転放物面の焦点小さいカセグレンアンテナ
3開口面の中心大きいホーンアンテナ
4開口面の中心小さいカセグレンアンテナ
5開口面の中心小さいホーンアンテナ

解答

1

解説

アンテナ

無線通信を行うために、電気を電波に変換し、電波を送信したり受信したりする装置をアンテナと言います。

アンテナは空中線ともいい、代表的には下記の様な種類のアンテナがあります。

開口面アンテナ

開口面アンテナには、その名の通り、開口面より電波を放出するのが特徴で、反射鏡アンテナ(パラボラアンテナ、カセグレンアンテナ)とホーンアンテナなどがあります。

パラボラアンテナでは、一次放射器から放出した電波を、回転放物面の形をした反射鏡にて集積し、放出されます。

一次放射器は回転放物面の焦点に設置します。

カセグレンアンテナでは、回転双曲面の形をした副反射鏡を設置することで、パラボラアンテナと比較して一次放射器に当たって発生するロス(ブロッキング)をなくすことができます。

また、カセグレンアンテナはパラボラアンテナと比較し、一次放射器が主反射鏡側にあり、その分の給電線や導波管の長さを短くできるためロスが少なくなります。

パラボラアンテナの利得と指向性

パラボラアンテナは、下図のように非常に鋭い指向性を持ちます。

このように鋭いビームを持つアンテナを、鉛筆のような鋭さから、ペンシルビームアンテナと言います。

※一方、携帯電話基地局に用いられるようなセクタアンテナは、水平方向に広く、垂直方向に鋭いビームを持ちます。このように、1つの次元で鋭く、もう1つの次元で広い指向性を持つアンテナをファンビームアンテナと言います。

パラボラアンテナに限らず、アンテナの利得Gはアンテナの実効面積Aeと波長λを用いて、下記で表されます。

$$G=\frac{4\pi}{\lambda^2}A_e$$

この式より、利得Gはアンテナの実効面積Aeに比例することが分かります。

また、メインローブの電力が1/2になる2点間の角度をビーム幅や半値角、電力半値幅などと言います。

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