問題
次の記述は、ダイバーシティ方式について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
- 十分に遠く離した二つ以上の伝送路を設定し、これを切り替えて使用する方法は、ルートダイバーシティ方式といわれる。
- 周波数によりフェージングの影響が異なることを利用して、二つの異なる周波数を用いるダイバーシティ方式は、偏波ダイバーシティ方式といわれる。
- 2基以上の受信アンテナを空間的に離れた位置に設置して、それらの受信信号を切り替えるか又は合成するダイバーシティ方式は、スペースダイバーシティ方式といわれる。
- ダイバーシティ方式を用いることにより、フェージングの影響を軽減することができる。
解答
2
解説
携帯電話で良く使われている技術がダイバーシティです。
MIMOなどの複数アンテナを用いる技術をはじめ、無線通信では、このダイバーシティという考え方がよく用いられています。
ダイバーシティ
無線通信の世界では、マルチパスフェージングにより、受信信号が劣化します。
このマルチパスフェージングの対策として、アンテナを複数設置し、それを十分距離を離して設置します。
というのも、十分離すことで、受信する信号の電力がアンテナごとに違くなります。
すると、一方のアンテナでの受信電力が落ち込んだとしても、もう一方のアンテナが落ち込まなければ、もう一方のアンテナのほうで信号を受信すればよいのです。
このように、複数の信号の受信することで、信号の電力や品質を向上させる技術をダイバーシティといいます。
特に、複数のアンテナを用意するダイバーシティ方式を、空間ダイバーシティまたはスペースダイバーシティといいます。
同じ考え方をアンテナではなく、周波数を分けて複数の信号を受信することを周波数ダイバーシティ、偏波方式で分ける方法を偏波ダイバーシティ、データが通ってきた経路にて分けることをルートダイバーシティといいます。