問題
次の記述は、伝送線路の反射について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。
- 電圧反射係数は、伝送線路の特性インピーダンスと負荷側のインピーダンスから求めることができる。
- 電圧反射係数は、進行波の電圧(Vf)を反射波の電圧(Vr)で割った値(Vf/Vr)で表される。
- 整合しているとき、電圧反射係数の値は、1となる。
- 反射が大きいと電圧定在波比(VSWR)の値は小さくなる。
- 負荷インピーダンスが伝送線路の特性インピーダンスに等しく、整合しているときは、伝送線路上には定在波が存在する。
解答
1
解説
反射係数
異なる特性インピーダンスの伝送路同士を接続すると、反射波といって、信号の一部が戻ってきてしまい、電力損失が発生します。
入射波と反射波の電圧の割合を反射係数といい、下記式で表されます。
$$\begin{eqnarray} \Gamma=\frac{V_r}{V_i}=\frac{Z_L-Z_0}{Z_L+Z_0} \end{eqnarray}$$Viは入射波の電圧、Vrは反射波の電圧を表します。
ZL=Z0となっている状態を整合といい、整合している時に反射波が0となり、反射係数も0となります。
また、反射の度合いを表す数字として、他にVSWR(電圧定在波比、Voltage Standing Wave Ratio)という表し方もあります。
電圧定在波比は、定在波(入射波と反射波を足したもの。)の電圧最大値と最小値の比で表され、反射係数を使って下記の様に変換できることが知られています。
$$\begin{eqnarray} VSWR=\frac{V_{\rm max}}{V_{\rm min}}=\frac{1+|\Gamma|}{1-|\Gamma|} \end{eqnarray}$$VSWR=1の時が反射がない状態を表し、反射が多くなるほどVSWRが大きくなっていきます。