第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年2月 無線工学(B)問6

2022-04-17

問題

次の記述は、自由空間における電波(平面波)の伝搬について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、電波の伝搬速度をv[m/s]、自由空間の誘電率をε0[F/m]、透磁率をμ0[H/m]とする。

  • (1):電波は、互いに( A )電界Eと磁界Hから成り立っている。
  • (2):vをε0とμ0で表すと、v=( B )[m/s]となる。
  • (3):自由空間の固有インピーダンスは、磁界強度をH[A/m]、電界強度をE[V/m]とすると、( C )[Ω]で表される。
ABC
1直交する1/(ε0μ0)H/E
2直交する1/√(ε0μ0)E/H
3平行な1/√(ε0μ0)H/E
4平行な1/(ε0μ0)E/H
5平行な1/(ε0μ0)H/E

解答

2

解説

電界と磁界

導体に電流が流れると、その周りに磁界ができます(右ネジの法則)。その磁界の周りには、さらに電界が発生します。

電波は、このように電界と磁界が相互に作用をして、空間を伝わっていったものです。

このとき、電界と磁界は互いに直交する(=90度の)関係にあります。

電波の伝搬速度

電波の伝搬速度は、光の伝搬速度(光速)cと等しく、約3.0×108[m/s]です。

光速c[m/s]、周波数f[Hz]、波長λ[m]には下記の関係式があります。

$$c=f\lambda [\rm m/s]$$

また、光速cは真空中の誘電率ε0[F/m]、透磁率μ0[H/m]を用いて、下記の通りに表されます。

$$c=\frac{1}{\sqrt{\varepsilon_0 \mu_0}} [\rm m/s]$$

特性インピーダンス

電波や高周波の信号の世界では、特性インピーダンスZという伝送路の性質を表す値があり、下記の様に電界Eと磁界Hの比で表されます。

$$Z=\frac{E}{H} [\rm \Omega]$$

特性インピーダンスはあくまで「伝送路の性質」を表す値であって、信号の抵抗値(流れにくさ)を表す値ではありません。

例えば、テレビの同軸ケーブルは特性インピーダンスが75Ωであることが多いですが、これは同軸ケーブルが75Ωの抵抗を持っているという意味ではなく、電界・磁界の比が75の信号を通すことができる、という意味合いで使われます。

「特性インピーダンス」は、伝送線路の「特性」を表しているのであって、実際にそのインピーダンスを持つ負荷(インダクタやコイル、抵抗など)が存在しているわけではないです。
「特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブル」と言うと、「電圧・電流比が50Ωの信号を通すことができる特性を持っている同軸ケーブル」を意味しています。決してケーブル自身が50Ωの負荷を持っている訳ではありません。

特性インピーダンスについて - 特性インピーダンスといわゆるインピーダン… - Yahoo!知恵袋

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