第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年10月 無線工学(B)問21

2021-12-09

問題

次の記述は、マイクロ波回線における電波伝搬について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):自由空間基本伝送損失Γ0(真数)は、送受信アンテナ間の距離をd[m]、使用電波の波長をλ[m]とすると、次式で与えられる。
    • Γ0=( A )
  • (2):送受信アンテナ間の距離を5[km]、使用周波数を7.5[GHz]とした場合の自由空間基本伝送損失の値は、約( B )である。ただし、log102=0.3及びπ2=10とする。
AB
1(4πd/λ)2121 [dB]
2(4πd/λ)2124 [dB]
3(4πd/λ)2128 [dB]
4(4πλ/d)2134 [dB]
5(4πλ/d)2140 [dB]

解答

2

解説

距離減衰

電波はどこまでも届くわけではなく、通信できる範囲が限られます。というのも、送信機から受信機が遠ければ遠いほど、電波が弱くなっていくからです。これを距離減衰といいます。

特に、距離減衰の中でも自由空間での距離減衰を自由空間伝搬損失といいます。

自由空間とは、送信機と受信機の間に障害物や反射が無く、電波が直接伝搬するような環境をいいます。自由空間伝搬損失Γ0は下記式で求められます。

$$\begin{eqnarray} \Gamma _0 = \left(\frac{4\pi d}{\lambda}\right)^2 \end{eqnarray}$$

この式を用いて、問題(2)の自由空間伝搬損失を求めます。光速c=fλの関係式を用いて、下記の様に展開します。

$$\begin{eqnarray} \Gamma _0 [\rm{dB}] &=& 10\log_{10}\left(\frac{4\pi d}{\lambda}\right)^2 \\ &=& 10\log_{10}\left(\frac{4\pi df}{c}\right)^2 \\ &=& 10\log_{10}\left(\frac{4\pi\times5\times10^3\times7.5\times10^9}{3.0\times10^8}\right)^2 \\ &=& 10\log_{10}\left(\frac{2\pi\times5\times15\times10^{12}}{3.0\times10^8}\right)^2 \\ &=& 10\log_{10}\left(50\pi\times10^4\right)^2 \\ &=& 10\log_{10}\left(\frac{100}{2}\pi\times10^4\right)^2 \\ &=& 10\log_{10}100^2 - 10\log_{10}2^2 + 10\log_{10}\pi^2 + 10\log_{10}10^{8}\\ &=& 40\log_{10}10 - 20\log_{10}2 + 10\log_{10}\pi^2 + 80\log_{10}10 \\ &=& 40 - 20\times 0.3 + 10 + 80\\ &=& 124 [\rm{dB}]\\ \end{eqnarray}$$

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