第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年10月 無線工学(A)問1

問題

次の記述は、静止衛星通信の特徴について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 3個の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。
  2. 静止衛星は、赤道上空約36,000[km]の軌道上にある。
  3. 通信衛星の電源には太陽電池を使用するため、太陽電池が発電しない衛星食の時期に備えて、蓄電池などを搭載する必要がある。
  4. 電波が、地球上から通信衛星を経由して再び地球上に戻ってくるのに要する時間は、約0.1秒である。

解答

4

解説

静止衛星について

1.3個の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。
→正しい。理論上は3つの衛星で地球をカバーできます。

2.静止衛星は、赤道上空約36,000[km]の軌道上にある。
→正しい。静止衛星は、赤道上空の約36,000[km]の円軌道上にあります。

3.通信衛星の電源には太陽電池を使用するため、太陽電池が発電しない衛星食の時期に備えて、蓄電池などを搭載する必要がある。
→正しい。太陽電池は、ソーラーパネルで発電した電気を蓄電池で保存して利用するため、蓄電池は必須です。

4.電波が、地球上から通信衛星を経由して再び地球上に戻ってくるのに要する時間は、約0.1秒である。
誤り。地球が衛星を経由して戻ってくるには、約0.24秒かかります。

電波が通信衛星を経由して地球に戻る時間

時間=距離/速さの関係式を用いて計算します。衛星が赤道の上空約36,000 [km]に回っているとすると、地球~衛星間距離は往復で72,000 [km]です。

また、電波の速さは、光速と等しく3.0×108 [m/s]です。これより、時間t [s]は、

$$\begin{eqnarray} t=\frac{72,000\times10^3}{3.0\times10^8}=24/100=0.24[\rm s] \end{eqnarray}$$

と求めることができます。

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