第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年6月 無線工学(B)問20

2021-07-23

問題

次の記述は、地上系のマイクロ波(SHF)通信の見通し内伝搬におけるフェージングについて述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、降雨や降雪による減衰はフェージングに含まないものとする。

  • (1):フェージングは、( A )の影響を受けて発生する。
  • (2):フェージングの発生確率は、一般に伝搬距離が長くなるほど( B )する。
  • (3):ダクト形フェージングは、雨天や強風の時より、晴天で風の弱いときに発生( C )。
ABC
1対流圏の気象増加しやすい
2対流圏の気象減少しにくい
3電離層の諸現象増加しにくい
4電離層の諸現象減少しやすい

解答

1

解説

フェージング

フェージングとは、信号が反射や回折によって様々な方向から到来した結果、受信側で信号の減衰や波形の歪みを引き起こしてしまう現象のことです。

下記に、送信機から受信機への電波の到達イメージを示します。

送信機から受信機へと信号が伝搬する際、信号は障害物や地面、大気などによって反射を何度も繰り返した後、受信機へと到達します。

受信機に届く信号は、様々な道(パス)を通ってきた信号すべての合成となり、減衰や波形の歪みを生じてしまいます。

これをフェージングと言います。

ラジオダクト

気象条件や天候により、大気の屈折率が変化します。

すると、大気中に、電波がうまく反射して遠くへ届いてしまう層ができてしまうことがあります。

これをラジオダクトと呼んでいます。

図では単純化して書いていますが、実際にはいくつかのダクトが発生します。

その結果、複数のダクトからの電波が、互いに干渉してしまいます。

この現象をダクト形フェージングといいます。

ダクト形フェージングは、雨天や強風の時より、晴天で風の弱いときに発生しやすいことが知られています。

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