第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年6月 無線工学(A)問20

2021-07-09

問題

次の記述は、地上系のマイクロ波(SHF)通信の見通し内伝搬におけるフェージングについて述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、降雨や降雪による減衰はフェージングに含まないものとする。

  • (1):フェージングは、( A )の影響を受けて発生する。
  • (2):フェージングの発生確率は、一般に伝搬距離が長くなるほど( B )する。
  • (3):等価地球半径(係数)の変動により、直接波と大地反射波との通路差が変動するために生ずるフェージングを、( C )フェージングという。
ABC
1対流圏の気象増加干渉性K形
2対流圏の気象減少ダクト形
3電離層の諸現象増加ダクト形
4電離層の諸現象減少干渉性K形

解答

1

解説

フェージング

フェージングとは、信号が反射や回折によって様々な方向から到来した結果、受信側で信号の減衰や波形の歪みを引き起こしてしまう現象のことです。

下記に、送信機から受信機への電波の到達イメージを示します。

送信機から受信機へと信号が伝搬する際、信号は障害物や地面、大気などによって反射を何度も繰り返した後、受信機へと到達します。

受信機に届く信号は、様々な道(パス)を通ってきた信号すべての合成となり、減衰や波形の歪みを生じてしまいます。

これをフェージングと言います。

等価地球半径

地球は丸まっているため、最短距離で伝搬するのではなく、下記の2つ目の図のようにもう少し長く伝搬します。

この実際の伝搬状況を直線的に表すためには、実際の地球より半径を4/3倍します。

これを等価地球半径といい、計数Kを等価地球半径計数と言います。

大気中での屈折を考慮しない場合がK=1、考慮する場合がK=4/3が用いられます。

しかし、このKの値は、実際には気象条件により変動します。

その結果、直接波と反射波の伝搬状況も気象条件によって変化することとなり、受信側では減衰や波形の歪みを引き起こします。

これを干渉性K形フェージングといいます。

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