第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和2年10月 無線工学(A)問10

2020-12-06

問題

受信機の内部で発生した雑音を入力端に換算した等価雑音温度Te[K]は、雑音指数をF(真数)、周囲温度をTo[K]とすると、Te=To(F-1) [K]で表すことができる。このとき雑音指数を6[dB]、周囲温度を17[℃]とすると、Teの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、log102=0.3とする。

  1. 580 [K]
  2. 870 [K]
  3. 1,160 [K]
  4. 1,450 [K]
  5. 2,030 [K]

解答

2

解説

熱雑音、雑音電力

どのような回路や伝送路でも、ノイズ(雑音)が発生します。これはブラウン運動といって、どんな抵抗でも、その内部で電子が不規則に振動しまうことに起因しています。

これを総称して熱雑音、または単に雑音といっています。

雑音をひとまとめにし、温度に換算して表記する方法があり、それを雑音温度Tといいます。

というのも、雑音電力Pn[W]は下記の関係式で表されるのですが、kはボルツマン定数 1.38×10-23 [J/K]で一定の値を、Bは帯域幅[Hz]でシステムで決まった一定値です。

つまり、雑音電力Pnは雑音温度Tに比例する値となり、Tでひとまとめにしてしまって問題ないのです。

$$\begin{eqnarray} P_n=kTB \end{eqnarray}$$

雑音温度Tは下記式で求められます。

$$\begin{eqnarray} T=T_o(F-1) \end{eqnarray}$$

ここで、To=周囲温度[°]+273[K]で、周囲温度を絶対温度に換算した値です。

また、Fは雑音指数を表します。

本問題を解くにあたり、まず雑音指数6[dB]をデシベルから真数に戻します。

6[dB]をlog表記に直すと、下記の通りになります。

$$\begin{eqnarray} 6&=&10\times2\times0.3 \\ &=&10\times2\times\log_{10}{2} \\ &=&10\times\log_{10}{4} \end{eqnarray}$$

これより、Fは下記の通りに求められます。

$$\begin{eqnarray} 6[\rm dB]&=&10\log_{10}{F} \\ 10\log_{10}{4}&=&10\log_{10}{F} \\ F&=&4 \end{eqnarray}$$

したがって、雑音温度Tは下記の通りに求められます。

$$\begin{eqnarray} T&=&T_o(F-1) \\ &=&(17+273)\times(4-1) \\ &=&290\times3 \\ &=&870 [\rm K] \end{eqnarray}$$

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