第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和2年2月 無線工学(B)問18

2020-09-25

問題

次の記述は、衛星通信に用いられる反射鏡アンテナについて述べたものである。 (  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):衛星からの微弱な電波を受信するため、大きな開口面を持つ反射鏡アンテナが利用されるが、反射鏡が放物面のものをパラボラアンテナといい、このうち副反射鏡を用いるものに( A )アンテナがある。
  • (2):回転放物面を反射鏡に用いたパラボラアンテナは、高利得の( B )ビームのアンテナであり、回転放物面の焦点に置かれた一次放射器から放射された球面波は反射鏡により波面が一様な平面波となる。また、アンテナの開口面の面積が( C )ほど前方に尖鋭な指向性が得られる。
ABC
1フェーズドアレイペンシル小さい
2フェーズドアレイファン大きい
3カセグレンファン小さい
4カセグレンファン小さい
5カセグレンペンシル大きい

解答

5

解説

アンテナ

無線通信を行うために、電気を電波に変換し、電波を送信したり受信したりする装置をアンテナと言います。

アンテナは空中線ともいい、代表的には下記の様な種類のアンテナがあります。

開口面アンテナ

開口面アンテナには、その名の通り、開口面より電波を放出するのが特徴で、反射鏡アンテナ(パラボラアンテナ、カセグレンアンテナ)とホーンアンテナなどがあります。

パラボラアンテナでは、一次放射器から放出した電波を、回転放物面の形をした反射鏡にて集積し、放出されます。

カセグレンアンテナでは、回転双曲面の形をした副反射鏡を設置することで、パラボラアンテナと比較して一次放射器に当たって発生するロス(ブロッキング)をなくすことができます。

パラボラアンテナの利得と指向性

パラボラアンテナは、下図のように非常に鋭い指向性を持ちます。

このように鋭いビームを持つアンテナを、鉛筆のような鋭さから、ペンシルビームアンテナと言います。

※一方、携帯電話基地局に用いられるようなセクタアンテナは、水平方向に広く、垂直方向に鋭いビームを持ちます。このように、1つの次元で鋭く、もう1つの次元で広い指向性を持つアンテナをファンビームアンテナと言います。

パラボラアンテナは、開口面から放射された電波が平面波(位相が揃った波)として伝搬されます。

さらに、パラボラアンテナに限らず、利得Gはアンテナの実効面積Aeと波長λを用いて、下記で表されます。

$$G=\frac{4\pi}{\lambda^2}A_e$$

この式より、実効面積Aeが大きくなるほど、利得Gが大きくなる(=ビームが鋭くなる)ことが分かります。

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