第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和元年6月 無線工学(A)問6

2021-01-20

問題

図に示すT形抵抗減衰器の減衰量Lの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、減衰量Lは、減衰器の入力電力をP1、入力電圧をV1、出力電力をP2、出力電圧をV2とすると、次式で表されるものとする。また、log102=0.3とする。

L=10log10(P1/P2)=10log10{(V12/RL)/(V22/RL)} [dB]

  1. 3 [dB]
  2. 6 [dB]
  3. 9 [dB]
  4. 14 [dB]
  5. 20 [dB]

解答

4

解説

T形抵抗減衰器

まず、赤色の部分の合成抵抗R1を求めます。

$$\begin{eqnarray} R_1=\frac{2}{3}R_L+R_L=\frac{5}{3}R_L \end{eqnarray}$$

続いて、赤色の部分の合成抵抗R2を求めます。

$$\begin{eqnarray} R_2&=&\frac{\frac{5}{12}R_L\times\frac{5}{3}R_L}{\frac{5}{12}R_L+\frac{5}{3}R_L} \\ &=&\frac{\frac{25}{36}R_L^2}{\frac{25}{12}R_L} \\ &=&\frac{1}{3}R_L \\ \end{eqnarray}$$

続いて、今求めた合成抵抗に加わる電圧V3を求めます。

$$\begin{eqnarray} V_3&=&\frac{\frac{1}{3}R_L}{\frac{2}{3}R_L+\frac{1}{3}R_L}V_1 \\ &=&\frac{1}{3}V_1 \\ \end{eqnarray}$$

続いて、電圧V2を求めます。

$$\begin{eqnarray} V_2&=&\frac{R_L}{\frac{2}{3}R_L+R_L}V_3 \\ &=&\frac{3}{5}\times\frac{1}{3}V_1 \\ &=&\frac{1}{5}V_1 \\ \end{eqnarray}$$

最後に、電圧V2を減衰量Lの式に代入します。

$$\begin{eqnarray} L&=&10\log_{10}{\frac{\frac{V_1^2}{R_L}}{\frac{V_2^2}{R_L}}}=10\log_{10}{\frac{V_1^2}{V_2^2}} \\ &=&10\log_{10}{\frac{V_1^2}{\frac{1}{5^2}V_1^2}} \\ &=&10\log_{10}{5^2}=20\log_{10}{5} \\ &=&20\log_{10}{\frac{10}{2}} \\ &=&20\log_{10}{10}-20\log_{10}{2} \\ &=&20-20\times0.3=20-6 \\ &=&14 [\rm dB] \end{eqnarray}$$

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