問題
送信アンテナの地上高を196[m]、受信アンテナの地上高を1[m]としたとき、送受信アンテナ間の電波の見通し距離の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、大地は球面とし、標準大気における電波の屈折を考慮するものとする。
- 61[km]
- 53[km]
- 46[km]
- 40[km]
- 35[km]
解答
1
解説
見通し距離dは、大気中での屈折を考慮する場合、以下の式で求められます。
\begin{eqnarray} d\simeq 4.12(\sqrt{h_1}+\sqrt{h_2}) \end{eqnarray}値を代入して、整理します。
\begin{eqnarray} d&=&4.12\left(\sqrt{196}+\sqrt{1}\right) \\ &=&4.12\times\left(14+1\right) \\ &=&61.8 \\ \end{eqnarray}見通し距離
下図のA点とB点があった場合、お互いが見通せる距離の範囲dは、下記の様に算出できることが知られています。
等価地球半径係数K=1のとき
$$d\simeq 3.57(\sqrt{h_1}+\sqrt{h_2})$$等価地球半径係数K=4/3のとき
$$d\simeq 4.12(\sqrt{h_1}+\sqrt{h_2})$$このdを超えると、見通しがなくなるために電波が届かなくなり、通信を行うことが困難になってしまいます。
ここで、等価地球半径係数Kとは何なのでしょうか?
これは、実際の伝搬状況を考慮した補正係数を意味しています。
というのも、実際の電波伝搬は、大気中での屈折があるため、直線的な伝搬よりさらに遠くへ伝搬します。
この大気中での屈折を考慮しない場合がK=1、考慮する場合がK=4/3となっています。