問題
図に示す回路において、端子ab間の合成抵抗の値が12[Ω]であるとき、抵抗R1の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、R2=6[Ω]、R3=2[Ω]、R4=3[Ω]、R5=4[Ω]、R6=18[Ω]、R7=27[Ω]とする。
- 18 [Ω]
- 24 [Ω]
- 30 [Ω]
- 36 [Ω]
- 48 [Ω]
解答
4
解説
この問題は解き方が2つあり、それぞれご紹介します。
解き方その1:ホイートストンブリッジ
下記のようなひし形に抵抗が接続され、さらに真ん中に橋が掛かったように検流計が接続された回路をホイートストンブリッジと言います。
このブリッジ回路の中でも、橋の部分(検流計G)に電流が流れない(電流が0)のときを平衡状態といい、下記の関係式が成り立つことが知られています。
$$R_1R_4=R_2R_3$$向かい合った抵抗の掛け算は等しい、と覚えましょう。
実は、問題の回路についても、平衡状態にあることが分かります。
$$\begin{eqnarray} 2\times27=54 \\ 18\times3=54 \end{eqnarray}$$そのため、橋の部分の4[Ω]には電流が流れず、下記と等しい回路になります。
赤色の部分の合成抵抗R8を下記の様に求めます。
$$\begin{eqnarray} R_8&=&\frac{20\times30}{20+30}=\frac{600}{50} \\ &=&12 \end{eqnarray}$$赤色の部分の合成抵抗R9を下記の様に求めます。
$$\begin{eqnarray} R_9=6+12=18 \end{eqnarray}$$ab間の合成抵抗が12[Ω]なので、下記のようにR1を計算します。
$$\begin{eqnarray} 12&=&\frac{R_1\times18}{R_1+18} \\ 12R_1+216&=&18R_1 \\ 6R_1&=&216 \\ R_1&=&36 [\Omega] \end{eqnarray}$$解き方その2:Δ-Y変換
Δ(デルタ)型の回路を、Y(ワイ)型の回路に変換する公式を使います。
$$\begin{eqnarray} R_a&=&\frac{R_1R_3}{R_1+R_2+R_3} \\ R_b&=&\frac{R_1R_2}{R_1+R_2+R_3} \\ R_c&=&\frac{R_2R_3}{R_1+R_2+R_3} \\ \end{eqnarray}$$この公式を用いて、赤線の部分を整理します。
Δ-Y変換の公式を使って、Ra、Rb、Rcを求めます。
$$\begin{eqnarray} R_a&=&\frac{2\times3}{2+3+4}=\frac{6}{9}=\frac{2}{3} \\ R_b&=&\frac{3\times4}{2+3+4}=\frac{12}{9}=\frac{4}{3} \\ R_c&=&\frac{4\times2}{2+3+4}=\frac{8}{9} \\ \end{eqnarray}$$したがって、等価回路は、下記の様に表すことができます。
さらに、赤色の部分R8、R9を整理します。
$$\begin{eqnarray} R_8&=&\frac{8}{9}+18=\frac{8+162}{9}=\frac{170}{9}\\ R_9&=&\frac{4}{3}+27=\frac{4+81}{3}=\frac{85}{3}\\ \end{eqnarray}$$並列回路の合成抵抗R10を求めます。
$$\begin{eqnarray} R_{10}&=&\frac{\frac{170}{9}\times\frac{85}{3}}{\frac{170}{9}+\frac{85}{3}} \\ &=&\frac{\frac{170\times85}{27}}{\frac{425}{9}} \\ &=&\frac{170\times85\times9}{425\times27}\\ &=&\frac{34}{3}\\ \end{eqnarray}$$合成抵抗R11を求めます。
$$\begin{eqnarray} R_{11}&=&6+\frac{2}{3}+\frac{34}{3} \\ &=&18 \end{eqnarray}$$ab間の合成抵抗が12[Ω]なので、下記のようにR1を計算します。
$$\begin{eqnarray} 12&=&\frac{R_1\times18}{R_1+18} \\ 12R_1+216&=&18R_1 \\ 6R_1&=&216 \\ R_1&=&36 [\Omega] \end{eqnarray}$$