第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年2月 無線工学(A)問16

2022-04-03

問題

次の記述は、パルスレーダーの動作原理等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 図1は、レーダーアンテナの水平面内指向性を表したものであるが、放射電力密度(電力束密度)が最大放射方向の1/2に減る二つの方向のはさむ角θ1をビーム幅という。
  2. 図2に示す物標の観測において、レーダーアンテナのビーム幅をθ1、観測点からみた物標をはさむ角をθ2とすると、レーダー画面上での物標の表示幅は、ほぼθ12に相当する幅となる。
  3. 水平面内のビーム幅が狭いほど、方位分解能は良くなる。
  4. 距離分解能は、同一方位にある二つの物標を識別できる能力を表し、水平面内のビーム幅が狭いほど良くなる。

解答

4

解説

レーダー(Radar)

レーダーはある対象となる物体までの距離や方向を測る装置で、電波をその物体に向けて発射し、その反射波によって距離や方向を測定します。

レーダーの最小探知距離

レーダーが物体を探せる最小の距離の事で、これより短い距離の物体は見つけることができません。

最小探知距離はパルス幅や垂直方向の指向性などによって決まります。

距離分解能

距離分解能とは、2つの物体が同じ方向にあったときに、その2つの物体が別の物体であると認識できる性能のことです。

距離分解能はパルス幅が狭いほど、区別しやすくなります。

方位分解能

2つの物体が同じ距離にあったとき、その2つの物体が別の物体であると認識できる性能のことです。

というのも、2つの物体がお互いに遠いほど識別がしやすく、近いほど区別がしにくくなります。

この区別のしやすさを決めるのはアンテナの水平方向のビーム幅です。

ビーム幅

半値角とも言い、最も利得の大きい箇所と、その半分(1/2)の利得となる部分の間の角度を言います。

下図おいて、レーダーが360°回転して物体を検知したとします。

レーダーでは、物体の実際の物体の幅θ2に比べて、レーダーのスコープ上では実際の幅より大きく表示されてしまうことが知られています。

これを拡大効果といい、実際の物体の実際の物体の幅θ2よりも、さらにレーダーのビーム幅θ1拡大されて表示されます。

参考文献

日本財団図書館(電子図書館) レーダー講習用指導書(機器保守整備編)

日本財団図書館(電子図書館) 通信講習用 船舶電気装備技術講座[レーダー](機器保守整備編)